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トランプ政権はドル・レートをどう見ているのか

2017年02月24日 11時56分40秒 | 国際経済
トランプ政権はドル・レートをどう見ているのか
 トランプ政権は、中国や日本を為替操作国だといいました。これで日銀は、金融政策がやりにくくなったなどという解説もありましたが、トランプ政権の登場で当初円安になっていた円レートが、昨今はじりじりと円高方向に動いているようです。

 報道によれば、FRBのイエレン議長は、今年は金融正常化促進の方向を考えていたようですが、トランプ政権の経済政策が、リーマンショックの反省からの金融システムの健全化路線といささか違うようなので(ドッド・フランク法の廃止など)、従来の路線が見通せなくなり困っているようです。

 現状では、トランプ大統領が何か言うたびに、為替市場はそれを反映し、ドル高になったりドル安になったりしています。トランプさんは、為替に介入するつもりはないのかもしれませんが、結果的に為替操作になってしまっていることは現実でしょう。

 現状では、トランプ政権の経済政策は、何はともあれ、内需拡大、アメリカ・ファーストで、史上最低に近い失業率の下でも、遮二無二雇用拡大を推進するということのようですが、ただでもコスト高のアメリカで、さらに人件費が上がりそうな政策ですから、アメリカの競争力は弱体化の方向でしょう。

 早くシェールオイルやガスを一杯掘らないと国際収支の赤字はますます増えそうです。
 まさかその結果を「為替操作国がアメリカに沢山輸出をするからだ」とは言わないと思いますが、今でもドルは高すぎるなどと言っているのでどうでしょうか。
 盟友「シンゾー」の国には手加減してくれるのでしょうか。

 ムニューシン財務長官は、ゴールドマンサックス出身ですから、為替の事は知悉しているでしょう、インビューで低金利は当分続きそうと発言(今のドル安は容認)、長期的にはドル高が望ましいと優等生のお返事です。

 トランプ大統領は為替問題には大変関心が深いようですし、日本も円レートには極めて敏感です。今後の為替動向は、大げさに言えば、日米経済の命運にもかかわりそうです。

 FRBと政権の考え方の食い違いで、ますます混迷しそうな為替相場ですが、トランプ大統領は、自身の一挙手一投足が為替に影響し、世界経済を不安定にするような状況に思いを致し、為替の安定、各国経済の安定に、少し本気になって欲しいものです。

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